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2023年 年次特別講演会のお知らせ 「新しい津田梅子像を求めて」

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「新しい津田梅子像を求めて」

YouTube 配信2023年5月21日(日)より

講師 :古川 安氏(科学史家、化学史学会元会長)

講演内容:
昨年1月に『津田梅子―科学への道、大学の夢』を上梓した。東京大学出版会から出版した学術書であるが、広く一般読者に読んでいただき予想外の反響があった。津田梅子は津田塾大学の礎を築き、日本における女子英語教育のパイオニアとして広く知られているが、梅子がアメリカへの再留学で生物学を専攻し研究していたことを知る人は少ない。本書は従来の津田梅子伝とは異なり、この点に焦点を当て、科学史とジェンダーの視点から梅子の経歴とその伝統の系譜を再構成したものである。明治という激動の時代を駆け抜けた一女性英語教師がアメリカの女子大学で自然科学と出会い若き日のトーマス・ハント・モーガンの下で本格的な生物学の研究をしながら、帰国後なぜ生物学者への道を歩まなかったのか、歩めなかったのか、どのような葛藤や確執があったか、その留学体験は梅子のその後の人生にどのような意味を持ち、どのような創造に繋がったかを考察した。本講演では、本書ができるまでの裏話、この本の中で言いたかったこと、書き足したかったこと、出版後の反応などを含め執筆余話をご披露したい。

講師紹介:
古川 安(科学史家、化学史学会元会長)
1948年 静岡県生まれ, 神奈川県育ち.
学歴: 1971年 東京工業大学工学部卒業、1983年 米国 オクラホマ大学大学院博士課程(科学史)修了, Ph.D. 
職歴: 横浜商科大学助教授、東京電機大学工学部教授、日本大学生物資源科学部教授、化学史学会会長を歴任。現在、総合研究大学院大学客員研究員、徳山科学技術振興財団理事.
受賞歴: 日本産業技術史学会賞(2001)、化学史学会学術賞(2004)、イギリス化学史学会モーリス賞(2018)、毎日出版文化賞(2022).
著書:『科学の社会史』 南窓社1989; ちくま学芸文庫, 2018. Inventing Polymer Science, University of Pennsylvania Press, 1998. 『化学者たちの京都学派』 京都大学学術出版会, 2017. 『津田梅子―科学への道、大学の夢』 東京大学出版会, 2022.

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