お知らせ

英語英文勉強会をZOOMにて開催しました

英語英文勉強会をZOOMにて開催しました

2021年3月27日(土)、津田塾大学教授(副学長)の早川敦子先生をお迎えして、「『わたし』の居場所:世界文学を紡ぐ女性たち」と題して、英語英文勉強会をZoom開催しました。実開催を新型コロナ感染症の流行により見送らざるを得ず、初のリモート開催でしたが、心に残る充実した時を過ごさせていただきました。

ご講演、質疑応答、参加者全員の交流タイムという、対面の勉強会と同じような流れとしました。コロナ禍が社会の分断をもたらしかねない中、早川先生の文学への深い造詣に満ちアカデミズムに裏打ちされたお話を伺って、参加者それぞれが「わたし」の居場所について深く考える機会が得られたのではと思います。書くことそして読むことにより、それぞれの生きた時間を「未来への記憶」として語り継ぐ世界の女性たちをご紹介くださり、勉強会で集う私たちもまた、語り継ぐ女性たちの長い列に加わることになることをお話しくださいました。

ご講演では、Brontë姉妹、Lyndall Gordon、津田梅子、Eva Hoffmanらをはじめ、Virginia WoolfもEmily Dickinsonも、また第三世界の女性たちも、自己・自我の発露として自分の生きた時間を言説化し、自分自身の主体性を獲得してきたことから、文学として、世界の女性が自分自身が生きた時間を自分の居場所として書き著わし、語ってきたことの大切さを述べられました。さらに、それが読み手や聴き手の女性によって受け継がれていくことの意義も強調されました。この動きは、近年の文学ではautobiography と fiction を融合させた “autobiografiction” というひとつの新しいジャンルとして位置づけられ豊かに実っているという、方向性も示してくださいました。

質疑応答では、Virginia WoolfのA Room of One’s Ownも自分の居場所、自分の時間を語る作品であり、それを読むことにより読み手がその記憶をさらに未来へつなげることも話題になりました。書くこと、語ることだけではなく、読むこと聴くことが、また「わたし」の居場所を未来へ伝えることにもなり、繋ぐことの大切さが話題になりました。

交流タイムでは、時差のため朝の4時、5時起きで参加されたイギリス在住の先輩をはじめ、当時学長でいらした現飯野正子同窓会長も交えて、津田梅子の滞在したOxfordのSt. Hilda’s Collegeにおける紅白梅植樹の際の除幕式の思い出話に花が咲き、和やかな雰囲気の中、津田の歴史を共有できるひと時を過ごすことができました。

閉塞感の否めないコロナ禍の日常生活のなかで、早川先生の俯瞰的かつ深淵なる文学のお話に耳を傾け、画面に集う国内外の同窓生の笑顔に「繋がり」を感じ、心満たされるひとときでした。

なお、今回のZoom開催では、遠方からも楽に参加できたのでこの試みは今後も続けて欲しいとのご意見もいただきました。企画部および同窓会としては、コロナ禍に左右されることなく、今後も同窓会の勉強会として「未来への記憶」を語り継ぐ機会を実開催もリモートも含め、さらに広げて参ります。引き続きご参加くださいますよう、お願いいたします。

詳細は「会員専用ページ」をご覧ください。

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早川敦子先生

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