2025年2月15日(土)、第22回津田キャリア塾を開催いたしました。皆様には、前回と同様、会場とZoomのハイブリッドで御参加いただきました。講演と質疑応答の後、会場ではお茶とお菓子を召し上がりながら、引き続き登壇者の方への質問や名刺交換、参加者同士の情報交換が活発に行われ、閉会まであっという間に時間が過ぎました。
講演会では、株式会社ボルテージ副社長の東奈々子様よりお話を伺いました。卒業後博報堂に入社、1999年ボルテージ創業に参画、2011年に東証一部に上場を果たされ、ボルテージをモバイル恋愛ドラマゲームのリーディングカンパニーへと導かれるまでを、会社の発展の過程とその折々にご自身が考えられたことを順序立ててお話し下さいました。
起業から25年を7つのステージ毎に、特に深く感じた事を≪身にしみたこと≫として7つ挙げられました。
①創業期 売り込みから資金調達まで何でも自分でがむしゃらに頑張っていた時期。最初の社員が辞めたショックの中では、« 社員は家族ではない » 利害が一致して成り立つ関係であると学ぶ。
②雌伏期 ジリジリと資金も減り必死に成功の法則を見つけようと背水の陣で頑張った時期。仕事が増え社員に任せないと仕事が回らなくなった時には、元気のない社員ばかり気になったが、« 会社は学校ではない » できる人に注力しないと成長しないと学ぶ。
③飛躍期 売り上げも伸び成功への体制づくりが軌道に乗り始めた時期。まさかの不正入会というトラブルに見舞われた時には、« 常に覚悟をしておく» 何が起こってもショックを受けている暇はないと強く思う。
④デビュー期 株主や投資家にも向き合い成長のプレッシャーを感じた時期。世の中の評判が気になっても、 «自分のアンテナを信じる » 後悔しない為にはこれしかないと確信する。
⑤拡大期 米国に進出しシリコンバレーの洗礼を受けた時期。異国の地での多様な社員とその考え方の違いの中で、« 働き方、文化の違いを乗り越える » 社員に使命と役割とをしっかり与えることが重要であると実感する。
⑥混迷期 競合の激増や市場の変化により業績が悪化し、会社の改革に取り組んだ時期。« 敵は内部でなく外 » ビジョンを共有する大切さを痛感する。
⑦再生期 成長市場へのシフトや新しいプロセスの導入などにより業績が回復しつつ現在に至る。« 既存の時代に合わせた変化と新たな創業が必要» お客様視点を改めて意識する。
起業から現在に至る様々なご経験から得られたこれらの教訓は、参加者の皆様には、ご自分の仕事の今直面されている問題の解決のヒントになったのではないでしょうか。
次に参加者の方へのアドバイスとして女性がキャリアを形成する上での心得を4つあげられました。
①真面目に考えすぎず、たかが仕事と少し力を抜く。
②成果が出ない部下が気になってもあえて距離を置く。
③感情的にならず、好き嫌いではなく得意不得意で判断する。
④マネジメントの立場になった時、自分の担当領域外が気になっても自らの担当している仕事に集中する事が大切である。
特に女性が育児と仕事の両立のコツとして、優先順位を仕事とプライベートを混ぜて考える、自分は一人しかいないのだからやるべきことは一列で考える、「公私一元」というキーワードは、子育て中の参加者には強く印象に残った事と思います。
女性が働きやすい企業づくりを目指していろいろな制度を社内で実施されている姿は、これからの日本で求められている経営者の姿として心よりエールを送りたい気持ちになりました。
最後にご自身が大切にしている言葉として、次の2つをあげられました。
「失敗する自由」失敗を恐れない事。
「私は自分の上司でありなさい」自分で自分を律していかなくてはいけない。律するには判断基準を持つための知識が必要、そのためには学び続けなければならない。
まさしくこれらの言葉を胸に、様々な困難を乗り越えながら、ご自身を信じ、力強く自分の道を切り開いてこられた東奈々子様のお話に、参加者一同、元気づけられ、またこれからの生き方に貴重なアドバイスをいただいたキャリア塾でした。
津田キャリア塾運営スタッフは、みなさんの感想やコメントをひとつひとつ読ませていただき、次回以降の内容にできる限り反映したいと思っています。これからも色々なご意見をお待ちしております。
2025年度も津田キャリア塾の開催を予定しています。詳細は、決まりましたらお知らせいたします。
次回も同窓生ならではの気楽な、でもためになる、そして楽しい会にしたいと思いますのでどうぞご期待ください。
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