「カウンセリングとは? クライエントに何をもたらすのか」(ハイブリッド開催)
開催日 2026年7月4日(土)13:30~15:30
会場 津田塾大学千駄ヶ谷キャンパス同窓会会議室
講師 山崖俊子氏 (臨床心理士、元津田塾大学教授)
【講演の目次】
- 私の心理臨床歴
2.クライエントってどんな人?
3.クライエントがクライエント自身になるために
4.心理臨床家の「仕事」
5.医師と心理士の役割の違い
6.臨床心理士という資格
7.心理臨床家の役割が全うできるために
8.治療構造という発想
9.終わりに
【講演の概要】
クライエントは「自分が自分に適応していない状態」、すなわち「自己概念と経験が一致していない状態」にあり、生きづらさを抱えている。「ふりをしている自分」ではなく、「意識下も含めて自分の体が求めている自分」になることで、自分で人生を決めるしかないこと、それが自身の幸せであることに気づく。
そのサポートをするのがカウンセラーである。クライエントの「気配」を全力で感じ取り、異なったその世界の「あるがまま」を共有することによって、自分の生き方を肯定し、主体的に生きられるよう支えていく。「どうすべきか」を説いたり、[症状]」をなくしたりすることが目的ではない。個々人の「ありよう」や「その人らしさ」が尊重されるが、それは決してクライエントが甘やかされることではない。「自分をみつめ、自身の物語を組み立てる」営為は、契約(ルール)に基づいた関係性の下で行われるからである。
カウンセリングとはクライエントが「自分自身に納得した物語」を語れるようになることを目指す営みである。ご講演は、カウンセラーは「何もしないことに全力をあげる」という河合隼雄氏のことばで結ばれた。
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ご講演中の主な質疑応答は以下のとおり。
・「流れる物語」について――最初は断片的であったクライエントの話が、特定のことにとらわれない一つのストーリーとしての自分語りになってくるが、そのためには「あるがままに生きる」支えになってくれる人、「安定的な他者」の存在が必要である。
・SNS時代の「自分語り」やカウンセリングについて――SNSは自由な意見の発信を可能にする反面、さまざまな評価が飛び交うために、人びとの生きづらさを助長し、「私が私になること」を難しくしている。カウンセリングは対面で行われるものであり、LineやSNSで代替できるものでない。
「心理臨床家」としての先生のご経験に基づくお考えや、カウンセラーの役割、カウンセリングの目的など、ご講演は心に響く内容でした。自分が感じる生きづらさをどのように捉え、対処すればよいのか、客観的に見つめるヒントをいただきました。また、問題解決ばかりを急ぎ、規範にとらわれ、「お節介や口出し」になりがちな自身の日常を省みる機会にもなりました。
会員専用ページもご覧ください。
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