津田塾大学同窓会

国際社会勉強会を開催しました 

「良い国とは:ラテンアメリカと国連から学んだこと」

日時:2026年9月19日(土曜日) 13:30〜15:30(ハイブリッド開催)
会場:津田塾大学千駄ヶ谷キャンパス同窓会会議室
講師:安川順子氏(FOGGS副理事長、元国連職員)

講師の安川氏は、アメリカの大学を卒業後、1982年から国連に勤務。ラテンアメリカ6カ国に約20年間駐在し、貧困・民主主義・平等などの課題に携わった。講義ではSDGs(持続可能な開発目標)の立案の経緯や、国連の役割とラテンアメリカの開発の現状を紹介しつつ、「良い国」を築くには何が必要か、軍事・経済大国ではなく、思いやりを持てる国にするにはどう生きるべきか、「幸福度ランキング62位」の日本に暮らす私たちに大きな問いを投げかけられた。ご講演の概要は下記のとおり。

【ラテンアメリカと多様性の包容】
ラテンアメリカの特徴の一つは多様性の包容である。ラテンアメリカを定義するなら「我々はインディオでもなく、ヨーロッパ人でもない。この地の正統な所有者と、スペインの簒奪者との間に生まれた、中間の種族である」という言葉に要約されるが、この言葉は人権意識が世界的に目覚める前に生まれた表現である。また近現代には移民・難民を積極的に受け入れ、多様性に包容な社会を形成している。

【国連の使命】
その使命は
1)戦争を防ぎ、世界の平和と安全を確保
2)人民の権利と自決に基づいた国々の間の友好(国々の平等)
3)全ての人が人権と基本的自由を享受できるよう国際協力を進める
にあり、各国への開発支援を通して生活を改善し、「自力で問題解決ができるように促すこと」である。

【SDGsの意義】
2030年までに貧困・教育・環境・平等などの課題を世界全体で改善するために、2015年の国連サミットで採択され、17の目標が設定された。基本理念は「誰も置き去りにしないこと」。

【SDGsからみたラテンアメリカ】
より平和になり、90年代に入ってから民主化の動きが活発化し、大きな前進が見られた。一方、暴力犯罪の多発、極度の貧富の差、民主主義への賛同が減少、極右・ポピュリズム・権威主義の台頭など、後退している局面もある。現状ではラテンアメリカでのSDGs達成度はわずか23%と推測され、特に貧困削減の不十分さが指摘されている。その改善のためには公共政策と政治が重要といえよう。

【世界の幸福度ランキング】
しかしラテンアメリカ諸国は幸福度が高く、2025年の調査では、コスタリカ4位、メキシコ12位、ブラジル32位、他方日本は62位であった。例えば、コスタリカでは、家族や友人、人と人の絆を大事にし、ポジティヴな感情で日々を過ごしている。そこには文化・精神面で先住民やスペインの影響があるのかもしれない。

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講演後の質疑応答では、ラテンアメリカの現状を踏まえての日本の強みと課題は何か、各国の社会政治への宗教の影響はどの程度あるのか、アメリカとの関係はどうなるのか、等々、多岐にわたる質問が寄せられた。

会員専用頁もご覧ください。
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講師 安川順子氏